ヴァージニア

倉橋由美子

新潮文庫s48.5.

友人に「遠藤周作好き、っていう人はたいてい好きだから」と倉橋由美子を薦められ、最初に手に取った本。表題作のほかに「長い夢路」「霊魂」が収録されている短編集でした。

一番印象に残った作品は「霊魂」。病気で死んだ婚約者が、生前の言葉どおりに霊魂になってやってくる話。霊魂になっているのは女性のMで、男性Kは最初戸惑いながらも、霊魂と生活し、霊魂と交わる。(即物的にいうとSEXする)、霊魂の描写ががリアルだと感じた。(霊魂にリアルも何もないけど。)それによると、霊魂は半透明の固まりで、重みはあるようなないような、柔らかで暖かい、人肌の手触りを持ち、興奮したりすると色づく。自由に形を変えられる。もちろん女の体にも。あ、あと理性的なんだそうです。

霊魂との交わりがもう、エロティックでなんともいえない。生身の人間との交わりよりも、その非現実性や、タブー性がいっそう雰囲気を醸し出している。倉橋由美子の文体が正確で、理性的な雰囲気を持っているので、あくまで「エロティック」で「いやらしく」ならない。雰囲気を楽しむ作品です。

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