1951.8.新潮文庫
私は谷崎潤一郎のあのエロティックな世界がとっても好きだということを最近気づきました。
最初は「昔のものも読んでみるか。」と思って何となく「細雪」を手に取ったのですが。
その後よく読む作家の1人になりました。
リリーというかわいい雌猫がいます。それを溺愛している庄造はさえない、憎めない男です。
品子は庄造の離縁された女で、その後妻に入ったのが福子です。
品子は庄造の事がまだ好きで、そのうち福子と上手く行かなくなって自分の所に戻ってくるだろうと踏んでいます。
福子は庄造がリリーを可愛がるのにやきもちを焼いて、リリーを品子にやってしまいます。庄造はリリーが恋しくてたまらないのですが。
私が面白かったのは品子と福子、女2人の対抗意識です。
品子は庄造の気持ちを自分に向けさせようといろいろ考えるし(リリーを引き取ったのもそのためです。)、
福子は猫にやきもちを焼くなんてみっともないとおもいながらもやっぱり猫を追い出してしまう。
そんな女2人の心の中が丁寧に描かれていてるのです。
「あったまわるいなあ、この女」「でも、そういう気持ち分かるかも」。
恋愛沙汰は他人からみるといつも滑稽なものです。
当の庄造は女二人に振り回されながらリリーを恋しがっています。
自由に振る舞っているのは猫のリリーだけのように見えます。