「モモ」

ミヒャエル・エンデ

私のそばにも灰色の男達・時間泥棒がいます。 あれもこれも、速くかたつけようとして必死でくるくると働くと、あああっという間に時間が過ぎてしまいます。そして夜になって、むなしい疲労感だけが残る。

何故、速く片付けて後はゆっくりしようと思ったのに、結局はゆっくりできないのか。 節約すればするほど時間は消えてなくなってゆく。本当にそう思うのです。

私のそばには残念ながら、「モモ」はいない。灰色の男達から皆の時間を取り返してくれる女の子はいない。マイスター・ホラが言ったように、私は私の力で、灰色の男達から私の時間を守らなくてはならないのだと思う。 モモのように、時間の音楽を聴き取れるように。

素敵な本です。子供の頃私は、モモがマイスター・ホラの家で食べた素敵な食事、飲めるチョコレートが大好きでした。読んでいるとまるで本当に食べたような気分になるのです。亀のカシオペイアが甲羅に光らせる言葉、時間の花、さかさま小路。私の実生活の中に登場するものはひとつとしてないけれど、すべてが真実味を持って私の心に存在する。私はモモになり、灰色の男にもなり、ベッポにもなって物語りに飛び込むことができる。そういった本です。(12.8.20)

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