江国香織「こうばしい日々」

1995.6新潮社文庫


「こうばしい日々」と「綿菓子」の短編2つが収められた薄い文庫本です。

2編ともロウティーンの恋心を描いています。

これを読んで内田春菊の「ファンダメンタル」を思い出しました。

「ファンダメンタル」は大人の恋の"基本型"を描いているものです。

「こうばしい日々」の恋は子供ならではのこだわりを持った恋です。



私が初めて異性を意識したのは

小学校1年生のころです。

掃除の時間、クラスの女の子に

「みっちゃんはうちのクラスの中で誰が好き?」

と聞かれました。

それまで、男の子を特別に好きになることなんて

考えてもみなかったけれど、話をあわせたかったのかな、

クラスで人気のあるらしい男の子の名を答えてた。

「高橋君」といったら、

「あ、やっぱりね。」といわれました。



好きだと口に出したら、今までなんとも思っていなかった

高橋君のことが気になりだしてしまいました。





バレンタインデーにチョコレートをあげようとして用意したのに、

なんか箱をぐちゃぐちゃにしてしまって結局自分で食べました。

高橋君はそれからすぐ転校してしまったのだけれど、

「私、高橋君のこと好き」という思い込み(?)はそれから3ヶ月くらい続いたのです。



こうやって考えると、覚えているものですね、7歳のときの恋心。



あれから16年たって今、

私の恋愛はおもに誰かと一緒にするものになりました。

片思いでなくて、恋人と一緒に恋をしつづけるって、

よくもわるくも一人でする恋とは違うものです。



恋人と離れてひとりぼおっと物思いにふけるときには、

自分の心にいまも7歳のときとおんなじ種類の

恋心があることにきづいて、ちょっとうれしくなります。(98.6.4)



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Last modified: Thu Jun 4 14:04:06 JST 1998