エル ベベドール 新橋SL店-その2 村上春樹の話
この店に行く前に、村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を彼に渡していた。
「今返していいですか?」と言いながらとりだす彼は、
「これを読むと自分も走りたくなりますね。」といった。
「でもやめよう、と思いながら」みたいなことを言って。
私はこの本の2か所に付箋を付けてある。
「どうしてここに付箋がついてるのかな、と思って。
特にこれといったフレーズがあるわけでもない」と彼はいう。
私は、付箋のページを開いて見返す。
ひとつは
「腹が立ったらそのぶん自分にあたればいい。」
に代表される一文。
それを言うと彼は、
「僕みたいにワイン飲んで『まあいいやー』じゃないんだ」という。
もうひとつは
「僕は空を見上げる。そこには親切心の片鱗のようなものが見えるだろか?いや、見えない。
~僕は空を見上げたりするべきではないのだろう。視線を向けなくてはならないのは、おそらく自らの内側なのだ。~そこに見えるのは~~僕のネイチャーである。古いボストンバックのようにそれを提げて、僕は長い道のりを歩いてきたのだ。」
ここは話が長くなるので語らなかった。ただ、私が付箋を張っただけだ。
この作品は消化できなくて、こんな風にしか語れない。
