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チャレンジャブルな外泊は挫折。
予定を早め、明日、病院へ戻る。
とても、辛い知らせを読んで動揺していた私。
その動揺ぶりを、苦々しく、不愉快に同居人は感じていたのだろう。
動揺を鎮めるために、友人に電話をして、話した。
その電話を聞いてしまった同居人に、限界がきた。
「君、おかしいよ。気違いじみてた。とても、不愉快だった」
動揺していない私だったら、落ち着いて対処できたかもしれない。
でも、出来なかった。感情が振り切れて、ぶつかってしまった。
まだ、早いのだ。私が退院に向かうのは。
もうしばらく、少しずつ、ゆっくり、というサイン。
全てのタイミングの悪い出来事たちが示すサイン。
残念だと思うけれど、焦らずに進む。
夜中に目が覚めても不安に襲われることがない。
あんなに恐れていた、死神の来訪がない。
伊達に一ヶ月以上も入院しているわけではないのだと、
よかった、と思う。
この夜をひとつ越え、またひとつの朝を越え、
少し長いチャレンジャブルな外泊を土曜日まで。
娘の気持ちと、同居人への負担と、自分の退院へ向けてのステップを
折り混ぜたらこうなった。
日常生活には辛いことがあり、いつまでも後悔するだろうことがあり、
小さな幸せがあり、生活にまぎれるその中に人生がある。
入院中にいただいていたたくさんの連絡を読みながら、
「ママが早く退院してほしいの」と初めて泣いた娘を抱きながら、
たくさんの思いがよぎる。
夜中ふと目覚めて、星月を眺めに外に出られること。
下弦の月、オリオン座、すばる。
夜気に体包まれること。寒いと思ったら部屋に戻ること。
自由。
今夜は2回目の外泊。
娘の寝る前に「カスピアン王子のつのぶえ」を読む約束。
「ママ、慣らしなんだよね~」「今日ママと一緒にねるー」と
はしゃぐ娘。
この土曜日曜と、入院後初めての外泊をした。
土曜の夜は友人宅で鍋をかこむ。
気のおけないみんなで、バカ話やまじめな話、
涙が出るほど笑ったりして過ごすその場の幸福。
美味しい手作りのプリン。ジャム好きな私のために買ってきてくれたジャム。
日曜。行きつけの中華料理屋さんへ。
なんと来週で閉店、別の街へ移転すると聞く。
この場が最後になるのだなあと、おいしいものをたらふく食べる。
マスターと話をする。
幸福。
幸福ってこんなにたくさんあった。
ねえ、ほんとうに、幸福だ。



