1980年10月。講談社
村上龍の物語は汚くて、恐くて、暴力的で、いつも読み始めるまでためらっているのですが、読み出すとすぐにその勢いに飲み込まれて抜け出せなくなります。
母親に「必要ない赤ん坊」としてコインロッカーに捨てられたキクとハシの物語です。 キクは暴力的に、ハシは歌で、人を、「世の中」を、私を揺さぶって、壊して、中のどろどろをさらけ出させます。私の中には、自分にも見せられない欲望と悲しみがいっぱいに詰まっているような、気がします。ときどきはちきれそうになる。でもそれでは普通に生きていけなくなるから、遊んだり、空想したり、また眠ってみる夢で少しづつ、なだめているのです。
個人の必要性について。
私は「必要とされたい」のですが、でも私がいなくても世界は回るのです。
明日私が死んでも、太陽は昇って沈んで、風も吹くし、大学の授業は変わりなくおこなわれ、バイト先も営業するし友達の多くも学校にいくでしょう。
家族や友人、恋人は悲しむでしょうが、それでも生きていけなくなるわけではありません。
いつもそう思っていて、さみしくてたまんない。私、なんで生きてるんだろう。
そう思うけど。
;生まれたから、心臓が動いているから、死ぬまで生きていなきゃいけないんだ。
このことを文句の言えない事実として受け入れています。
時々確認しないと、生きていくのに困ってしまうのです。
キクとハシも、この物語の中でこんなことを確認しているような気がします。 (97.12.9)
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Last modified: Tue Dec 9 12:47:10 JST 1997