1967年7月新潮文庫
光太郎の詩40編あまりと、随筆「智恵子の半生」「九十九里浜の初夏」「智恵子の切り抜き絵」に編者草野心平の「悲しみは光と化す」「覚え書」が収められています。
智恵子抄を読んだ日の私の日記より。
朝、智恵子抄を読みました。 素晴らしい。 彼らについてよく知らなくても 「人類の泉」以降はわかる。 「智恵子の半生」を読んでかえると、 もっと深く、さいしょのほうもわかる。 こんなふうに、人生を追って、智恵子との関わりにしぼって、追いやすい詩集。 とっても感情移入できた。全編にわたって。 しみる。愛というか、想いが。光太郎が、智恵子をどんなに想っていたかが。 丁寧で、切なくて、繊細な美を生む関係。 余計なもののそぎおとされた心の表現。 ああ、智恵子という人が、光太郎の描写でしっかりと像を結んだ。私の中に。 巻頭のはり絵を見て、その智恵子がそれをみつめ、切り、みつめ、はり、 光太郎に見せる、その姿を、おもい、 胸が苦しくなっている。 なんで泣きたいのだろう。私は。
今まで読んだ中で、一番好きな詩集です。 好きな詩はほかにもあるけど、一つにまとまったものとしてこんなに強く心を動かしたものはなかった。読み進めていくうち、引き込まれたきっかけになった「人類の泉」の部分をあげます。
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自然と涙が流れ
抱きしめる様にあなたを思ひつめてゐました
あなたは本当に私の半身です
あなたが一番たしかに私の信を握り
あなたこそ私の肉身の痛烈を奥底から分つのです
私にはあなたがある
あなたがある
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(98.1.8)