「アムリタ」吉本ばなな

私がこの「アムリタ」を初めて読んだのはもう2年半前、二回目のセンター試験の4日前の事でした。勉強しなければ、と焦りながらも一気に読んでしまい、読み終わっても勉強する気になれず続けてもう一回読み直した事を覚えています。

運命を切り開く力。日々生きていくこと。生命力。そんなものをいっぱいに詰め込んで。ありきたりな言い方だけど、人間ってなんていとおしいものなんでしょう。私は、新宿の都庁の展望台からの眺めを思い出します。地上から眺めると大きなビルも、上から眺めると見渡せて、その中にたくさん人がいて、きっと私が普段しているのと同じように笑ったり、ご飯食べたり、おしゃべりして、時には怒って、いらいらして、ないて。道を歩いてる、あんなにちっちゃくみえる人たちも、みんな。そんな風に生きて、何時か死んでゆく、そんな当たり前のことをとってもいとおしく、かけがえのないものだと、再確認させてくれる。自分がどうやって生きてきたのか、どう生きたらいいのか不安になったときや、なんかひとりぼっちのような気がして無性にさみしくなったときに読みたい本です。


目次に戻る Last modified: Tue Jun 24 17:52:32 JST 1997